医療・福祉問題研究会会報NO.74
2005.12.22
第79回研究例会のご案内
日時: 2005年12月23日(金)15〜17時
会場: 金沢市松ヶ枝福祉館
報告: 北谷 真理氏 (ハンセン病支援・ともに生きる会)
『元ハンセン病患者 故浅井あいさんと関わりながら』
井上 英夫氏(ハンセン病問題に関する検証会議検討会委員長)
『民主主義と人権の視点から 』

【北谷真理氏のプロフィール 】

ご所属:ハンセン病支援・ともに生きる会 (西南部小学校勤務)

ご紹介:北谷真理氏は、浅井あいさんのふるさと金沢への帰郷を実現する取組に深く携われた方です。それは、浅井あいさんの短歌の中でも知ることができます。
『元ハンセン病われに お帰りなさいお帰りなさいと駆けてくる少年少女ら』  これは、同じ金沢駅の風景であってもそれより以前に詠われた『名を呼びて迎えてくるる 一人もなし 我が郷里の街 金沢駅に』とは180度趣を異にする歌になっています。北谷氏自身もまた、ハンセン病国療養所栗生楽泉園にも何度も足を運ばれ、元患者さんとの交流経験も豊かな方ですので、そのご経験の中からご報告をしていただこうと思います。


第78回例会報告
ほんとうの自立とは 夢のあるくらしを求めて
〜「障害者自立支援法」のゆくえと今後の医療・福祉を考える〜
城北病院 MSW伍賀道子

 去る10月10日、ひろびろ作業所・ワークショップひなげし・工房シティ・医療福祉問題研究会が呼びかけ団体となって開催した、講演会「ほんとうの自立とは 夢のあるくらしを求めて」に参加した。当日は、金沢市保健所駅西健康ホールの会場に溢れんばかりの多くの参加者で、当時国会審議中の障害者自立支援法への関心度の高さを如実に表していた。
 残念なことに、講演者の一人でもあった秋元波留夫氏が当日体調を崩され、そのため急遽講演は、秋元氏が事前に準備した原稿を代読するという形となった。講演の中で、秋元氏は15年戦争を知る精神科医という経験を通し、戦時中の悲惨な精神医療の実態から、闇に葬られていた多くの問題に光を当て、そして二度と戦争犠牲者を生み出さないために、平和憲法を守り抜かねばならないという確固たる信念を痛切に訴えられていた。中でも、戦時中の精神医療の実態というと、精神病院は戦争によって精神に障害を負った傷痍軍人の療養所と化し、その多くは食糧不足による「飢え」という苦しみの中で命を絶えた人が圧倒的に多かったということである。まさに、戦争遂行という流れの中で、精神障害者の多くは社会の厄介者として殺されたも同然だったのであるこのように、秋山氏は現場での多くの経験を通しながら、精神障害者の明るい未来のためにも、平和な社会を築く土台となる憲法9条を守りぬく運動を、全国各地で広げていくことの大切さを述べられていた。
 次に、きょうされん常任理事の藤井克徳氏が、「障害者自立支援法案の行方と私たちに問われるもの」と題した講演の中で、障害者自立支援法案の経過や問題点について、ポイントを押さえながら話をされた。全国各地での多くの当事者団体の行動や訴えもあり、郵政問題による衆議院解散と同時に一時は廃案となった障害者自立支援法案だが、10月31日に衆議院を通過し、平成18年4月より施行される予定となった。介護保険統合を前提としたサービス利用料や障害医療の1割定率負担は、本来であれば公的に保障されるべき個々の障害を、個人や家族の責任においてカバーすべき問題であるというような、誤った障害観を植え付けかねない。藤井氏は最後に、今後の障害者自立支援法に対し、現時点の生活水準を下げないような対応を迫ること、そして厚労省や各自治体が行う障害関係予算の適切な見積もりを見守ることを、参加者に訴えていた。
 藤井氏が最後に参加者に寄せた、茨木のり子氏の「一人の人間の真摯な仕事は、思いもしない遠いところで、小さな小さな波をつくる」ということばのように、全国各地で活動している平和や福祉を守るためのまっすぐな運動は、小さな波だけでなく、国をも動かす大きな波へと変化していく力となることを信じて、自分の暮らしている場所から発信していくことができればと思う。


 医療・福祉問題研究会 2005年大忘年会のご案内

毎年恒例の医療・福祉問題研究会の忘年会を企画しました。年末の忙しい時期ですが、今年一年を振り返り、会員の皆様方と大いに語り合えるひと時を送ることができればと思います。

日時:12月23日(金)18時〜(例会終了後 移動)
場所: 「お気楽 屯場」(片町2-31-41  tel261-3585)
   (片町・8番ラーメン横の道を入り、数十メートル先左側)
予算: 5000円(飲み放題+鍋料理含めた8品)

準備の都合がありますので、12月20日(火)までに出欠をお知らせ下さい。
多数の御参加をお待ちしています。Faxご利用の方は、以下の用紙をご使用ください。
連絡先:〒920-8616 金沢市京町20番3号
城北病院 医療福祉相談室 伍賀・川合
E-Mail : soudan@jouhoku.jp
TEL 076-251-6111/ FAX 076-252-5881


城北病院 相談室 伍賀・川合宛
医療・福祉問題研究会大忘年会 申し込み用紙

医療・福祉問題研究会 2005年大忘年会に

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