日時：　１２月２３日（木）午後４時〜６時 会場：　金沢市松ヶ枝福祉館 報告：「記住我�|」 （ｊi　ｚhu　wo ｍen）（私達を忘れないで下さい！）　　　　　　　　　 〜中国で「７３１部隊」遺跡と「遺棄化学兵器」を視る〜 報告者：　莇　昭三　さん ※例会終了後、忘年会を企画しております。詳細は最終ページに。 「高齢化と福祉のまちづくり」講演・シンポジウム 金沢大学院　小野栄子 7月18日に、医療福祉問題研究会の総会開催に伴い、毎回行われている記念企画が行われた。今回は、「高齢化と福祉のまちづくり」をテーマに、第一部の講演会には、前鷹巣町長の岩川徹氏をお迎えし、また第二部のシンポジウムでは、コメンテーターに岩川氏、シンポジストに日本福祉大学の牧野忠康氏、医療福祉問題研究会からは河野すみ子氏、そして奥能登健康友の会の鐙邦夫氏を迎えて行われ、会場には大勢の聴衆が集まった。 第一部、岩川徹氏の講演会の題目は、「福祉のまちづくりに求められること」。福祉国デンマークを手本にしながらも、単にデンマークの福祉政策を真似るのではなく、まちに民主主義を根付かせるため徹底して住民参加の手続きを重視し、住民主体の福祉のまちづくりを行ってきた過程、その具体的な取り組みについて、お話された。岩川氏が鷹巣町長になられてから先ず取り組まれたのは、「ワーキンググループ」の立ち上げ。「住民の声なくしてまちづくりはあり得ない」。 主権者である住民の意識によって、政策を形成していく方法として提案されたワーキンググループは、高齢者の生活を支える介護サービス基盤整備を行ってきた。高齢者の生の声を聞き、その不安を住民自らのボランティアと、行政への提案で一つ一つ解決してきた。その次に取り組まれたのが、高齢者の人権を保障する仕組みづくり、「鷹巣町高齢者安心条例」の制定である。この条例は、介護保険施設の利用者の自己決定を否定／制限するサービス提供者の行為を「権利行使」と呼び、これをゼロに近づけ、介護サービスの質の向上を図る目的でつくられた。鷹巣町の一連の取り組みは、日本でも、もしくはそこが都市部でもなく小さな田舎町であっても、住民自治が可能であるということを力強く立証するものであった。 　第二部、シンポジウムでは、牧野忠康氏からは、保健、医療、福祉を統合した中山間地域の再生と"健康地域"づくりを考えていくために、医療を地域振興の軸とした、中山間地域の再生策の地域プロジェクト（メディコポリス構想）の実現を進めている長野県、佐久総合病院の取り組みを紹介して頂いた。河野すみ子氏からは、珠洲市の高齢化、過疎化の状況について、医療、福祉サービスが不十分なことから「住み続ける自由」が奪われている状況、仕事不足による若者流出とはまた別の、「もう一つの過疎化」とも呼ぶべき深刻な事態が進行していることが報告された。また、鐙邦夫氏からは、輪島市大沢地区調査から、珠洲市同様、進行する高齢化と過疎化の状況についての現状報告とともに、高齢者のための保健、医療、福祉施策を推進していくため、現地住民や学生などが協力して、実態調査と住民要求の把握に取り組み、現状打開にむけた歩みを紹介していただいた。言ってみれば福祉型の鷹巣町、医療型のメディコポリス、保健ヘルス型の輪島市沢内村の取組みをそれぞれお聞きして思うことは、安心して住み続けられる福祉のまちとは、保健・医療・福祉施策が総合的に、住民自身の手により作り出されていく所なのでは、ということであった。