医療・福祉研究第15号を読んで        会員  R・A
今回の「医療・福祉研究15号」では、特に「特集/憲法と社会保障」が読み応えのある内容となっています。
現行の憲法の価値や役割、そして何か難しくて遠い存在に感じられる憲法が実は生活保護や医療保険、介護保険といった具体的で身近な問題と密接に関連しているのだということをあらためて認識させてくれる特集です。
 改憲が叫ばれる今こそ、憲法の重要性を再認識し、憲法をより発展させることが出来るよう生活の中で取り組む努力をしていく必要があると感じました。そして、そのことは憲法第12条に明記されている国民の「不断の努力」に他ならないと考えさせられる特集でした。
 また、講演「ハンセン病と人権」は、人権について深く考えさせられる内容となっています。実際に谺雄二さんのお話を聞かせていただいた際にも痛感しましたが、「無知」とは非常に恐ろしいことであり、「無知」であることで様々な問題を放置し、人々を傷つけることもあるのだと思います。
 人は1人で生きているわけではありません。また、‘今’があるのはそれまでの歴史があるからです。現在の事象や目の前にあることだけでなく、身近な視点から過去や他の人のことに少しでも目を向け、想像力を働かせていくことができれば、この日本もより良い方向に進んでいくのではないだろうかと今回の第15号を通して感じました。
 様々な「改革」や社会の変化の中で、自らのことで精一杯になりがちですが、周囲や過去を見つめ直すそんなきっかけとなるようなお話や論文がいくつも収載されています。人権や憲法といった普遍的で誰もが関連する内容を多分に含んでいる内容ですので、是非読まれることをお勧めします。

トップページに戻る