期待しています(1)

 医療・福祉研究会への期待
 先日,岡山県倉敷市の水島協同病院から,「命をうばうもの−いま告発する医療の現場から−−」をお送りいただきました。ぜんそくを患う父子が・国民健康保険に入ると1カ月約3万円の負担,自費で医療費を払うと月々7・340円(月2拘通院)であると報告されています0しかし,入院でもすればたちまち困ることになる,という不安に・たえず直面していて,ここに福祉をめぐる財政・経済問題の重要な断面が示されていると感じました。
 現代の経済学では・不確実性に対する人間の意思決定の問題をよくとりあげていますが・生活の不安を−歩一歩と取り除きながら,未来をきり開く上で,すぐれた経験や情報の価値は・この上なく,大切になってくると思われます。制度が複雑となり,個別化し・官僚化がすすみますと,障害をうけたものの立場にたって適切な情報を提供しうる専門家の役割は,ますます重いものとなって参ります。この時代の,これらの課題を根本から解決すべく,ご研究の一層の発展を願い,とりあえず。
  

池上惇(京都大学経済学部教授)
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